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ビームライン

SP8ロボットを使おう!(3)

さて、全ての準備が整ったらいよいよビームラインでの測定を行います。
サンプルチェンジャーロボットSPACEやサンプルトレイのセットアップなどはビームラインスタッフが行ってくれますので、当日、ユーザーが特別に準備することはありません。最近はゴニオメーターヘッドの改良などにより従来の測定とロボットによる測定の切換が容易に行えるようになっていますので、例えば午前中に従来の測定、午後からロボットによる測定などと併用することも可能です。今回の測定では、午前中に数個の結晶を従来の方法による測定、午後からロボットによる測定、というように行ってみました。測定方法の切り替えは5分もかからないぐらいで完了します。
ロボットを使用した測定の詳細は構造生物学ビームラインの説明書に書かれていますので詳しくは述べませんが、D-ChaおよびBSSを併用した測定になります。
TrayManager
推奨される測定方法は2-mode測定であり、先に結晶のスクリーニングを行い、その後、無人の自動運転でデータ測定を行うという方法です。実際に行う作業としては、あらかじめD-Chaに登録しておいた測定条件をBSSで読み込み、1つずつ回折チェックを行います。現在のところ各結晶のセンタリングは通常通りBSSで行います。なお、ここでセットしたセンタリング座標はデータベースに登録されるため、2度目以降はセンタリング位置が再現されるため、再度行う必要はありません。

スクリーニングで測定に適した結晶があった場合、ImgViewで出力される測定条件を使うか、またはスクリーニング条件を追加して測定条件を決定し、データ測定をD-Chaで追加していきます。全ての結晶のスクリーニングが終了し、データ測定条件を追加したらいよいよ無人測定に入ります。BSSで自動測定を開始し、ビームラインインターロックのグラフィックパネルでMBSのモードをLOCALからLOCAL+REMOTEにセットすれば後は測定終了を待つだけです。
BLスタッフからの説明があると思いますが、インターロックのMBSモードをLOCAL+REMOTEにしておかないと、万一途中でビームアボートが起こった場合、測定が再開されないので気をつけて下さい。

SP8ロボットを使おう!(1)

前回のエントリでSPring-8のロボットを使用した測定について書いてみようと思っていたのですが、結局中途半端な記事になってしまったので再度書いてみます。

SPring-8のロボット(SPACE)は現在はBL38B1で使用可能で、近いうちに(2009Bぐらい?)BL41XUでも使用できるようになるようです。
ロボットを使うためにはロボット用の専用ピンやトレイが必要になるのでビームラインから借りることになります。従ってあらかじめビームラインスタッフと相談しておくとスムーズに事が進むと思います。私たちは今回BL38B1での測定でしたのでBL38B1スタッフに連絡をしました。

測定を行う前の作業としては、あらかじめトレイに結晶を凍結して詰め、測定前日までにSPring-8に到着するように送付するということがあります。
まずは、専用トレイやピンをSPring-8から送ってもらいます。ビームラインではいくつかセットが用意されていますのでリクエストすれば日程に合わせて送付してもらえると思います。今回、私たちのビームタイムは20日(月曜日)でしたので17日(金曜日)に到着するように送付すると安心です。土日でもあらかじめ連絡しておけば受け取ってくれると思いますが、ビームラインスタッフの負担もありますので可能な限り平日にしておく方が無難だと思います。で、私たちの研究室からSPring-8までの日数を約2日とすると15日(水曜日)発送がよさそうです。で、前日に結晶を準備するとして・・・ということで余裕を持って6日の週に到着するようにお願いしました。余裕を持たせすぎてごめんなさい>スタッフ様
以上のように大体、測定日の一週間前には手元にロボット用ツールが届いているようにすれば大丈夫だと思います。

ドライシッパー
届いたドライシッパーとツール一式

続いて、届いたツールを使って準備を行います。まだ、準備してないのでまた次回・・・

p.s.
内容におかしな事があれば補足説明など下さい>SP8 BLスタッフ様

SPring-8メールインシステム(準備)

最近ネタがなかったので久しぶりに書いてみます。

今回BL38B1でロボット(SPACE)を使った測定があるのでメールインシステムを使ったサンプル送付を試してみました。このシステムでは研究室からサンプルをSPACE専用トレイに詰め、ドライシッパーでSPring-8まで送付しておきます。そうしておいてビームタイムにそのトレイを使って測定するというものです。
誰も行かなくてもいいわけではありませんが、この方法だと数日前に落ち着いて測定サンプルを準備しておけるのでビームタイムの前日に準備する、ということが不要になります。それと遠方からかさばる結晶を運ぶ量も減らすことができるという測定方法です。もちろん、あらかじめ送っておき、さらに測定前日(または当日)にトレイを追加して準備でもOKみたいです。

以前はインハウスのクライオストリームでのフラッシュクーリングにしか対応してませんでしたが(マウントツールがそれしかなかったため)、現在は新しい器具が開発され、液体窒素での直接冷却にも対応しました(いわゆるジャボ漬け)。今回はこの直接冷却ツールを使ってみましたが、フラッシュクーリングよりも使いやすく、操作も簡単でした。

また、測定するサンプルデータはWebインタフェースであるD-Chaを使ってあらかじめ入力しておきます。そうすれば結晶データなどはSPring-8のサーバに蓄積されるため、後から実験結果を確認することも容易です。

実際の操作などについては構造生物学ビームラインのホームページで解説されていますので参考にしてみて下さい。

結晶格子軸の長さとオーバーラップ

みなさん、こんにちわ。
タンパク結晶ビームラインを運転する側として実際の放射光ユーザさんに聞いてみたいことがあります。

結晶格子が長すぎてCCD検出器上のスポット間隔が詰まりすぎ、データにならなかった/データにするのに苦労した、と言う方がいらっしゃいますか。
ビームラインのスタディで準備する結晶はサーモライシンなどの標準試料であるため、実際に200Åを越える格子を持つ結晶などでスタディをしておりません。
という理由で、ユーザの皆様の「本当に困った!」をはっきりと認識できていないのではないかと心配しております。

例えば、高感度X線CCD検出器などを導入しても、検出面積などが足りないなどの場合、施設側としてどのように対応をするか、ということについてユーザさんを交えて議論をしたいと考え、記事を書かせていただきました。

過去の経験、現在の状況など、可能でしたらご意見寄せていただければと思います。

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