Cootのインストール
0.6.2のインストール
2012-02-01 : 内容が混在していたため新規作成
ファイルの取得
COOTは安定版とプレビュー版があり、通常は安定版が無難と思われますが、プレビュー版を追いかけたい方はNightly buildからダウンロードします。ここでは安定版に関してのみ説明します。
- 安定版 -- http://lmb.bioch.ox.ac.uk/coot/software/binaries/releases/
- プレビュー版 -- http://lmb.bioch.ox.ac.uk/coot/software/binaries/pre-releases/
安定版のダウンロードディレクトリから以下のファイルをダウンロードします。
- coot-0.6.2-binary-Linux-i386-centos-4-python-gtk2.tar.gz
いろいろ種類があってややこしいのですが、Vine5の場合、CentOS4用で、Pythonスクリプト対応が含まれているパッケージを選択するとよさそうです。なおPythonが含まれていないパッケージもありますが、PHENIXと連携して使用する場合はPython対応必須です。
ファイルの展開とインストール
適切なファイルをダウンロードしたら/usr/local以下に展開します。以前はCCP4ディレクトリ以下への展開をオススメしていましたが、/usr/local直下の方がいいような気がします。rootで作業します。
# cd /usr/local # tar zxvf coot-0.6.2-binary-Linux-i386-centos-4-python-gtk2.tar.gz
これで/usr/local/coot-Linux-i386-centos-4-gtk2-pythonというディレクトリ以下に展開されますが、長ったらしいので名前を変更します。
# mv /usr/local/coot-Linux-i386-centos-4-gtk2-python /usr/local/coot-0.6.2
実行パスの設定
実行パスは.cshrc内などで設定してもいいのですが、通常はCCP4と併用することになると思うのでCCP4のセットアップファイルに記述します。
- /usr/local/ccp4-6.2.0/setup-scripts/sh/ccp4-others.setup
export PATH=/usr/local/coot-0.6.2/bin:/usr/local/ccp4-6.2.0/fasta-35.4.1/bin:/usr/local/ccp4-6.2.0/clustalw-2.0.9/bin:/usr/local/ccp4-6.2.0/tcltkplusplus/bin:/usr/local/ccp4-6.2.0/ccp4-6.2.0/bin:/usr/local/ccp4-6.2.0/ccp4-6.2.0/bin:/usr/local/ccp4-6.2.0/ccp4mg-2.5.0/bin:${PATH}
- /usr/local/ccp4-6.2.0/setup-scripts/csh/ccp4-others.setup
setenv PATH /usr/local/coot-0.6.2/bin:/usr/local/coot-0.6.2/bin:/usr/local/ccp4-6.2.0/fasta-35.4.1/bin:/usr/local/ccp4-6.2.0/clustalw-2.0.9/bin:/usr/local/ccp4-6.2.0/tcltkplusplus/bin:/usr/local/ccp4-6.2.0/ccp4-6.2.0//bin:/usr/local/ccp4-6.2.0/ccp4-6.2.0/bin:/usr/local/ccp4-6.2.0/ccp4mg-2.5.0/bin:${PATH}
以上のように修正して再ログインすれば使用可能になります。
ファイルの修正など
ライブラリへのシンボリックリンク
cURLのバージョンとの関連だと思われますが、インストール後ライブラリへのシンボリックリンクが必要となります。私の環境では以下のようにリンクを張りました。
- /usr/local/coot-0.6.2/lib以下
- libldap-2.2.so.7 -> /usr/lib/libldap-2.4.so.2
- libssl.so.4 -> /usr/lib/libssl3.so
- libcrypto.so.4 -> /lib/libcrypto.so.6
具体的な手順は以下の通り
# cd /usr/local/coot-0.6.1/lib <-- COOTインストールディレクトリ以下のlibディレクトリに移動 # ln -s /usr/lib/libldap-2.4.so.2 libldap-2.2.so.7 # ln -s /usr/lib/libssl3.so libssl.so.4 # ln -s /lib/libcrypto.so.6 libcrypto.so.4
これで起動可能なはずです。もう一つの手段としてバイナリファイルcoot-real, curl, libcurl.so.4.1.1の共有ライブラリファイル名の部分を0x00で上書きするという力技も可能ですが、この手順の方が簡単な上確実だと思います
ちなみにCentOS5では以下の様になります
# ln -s /usr/lib/libldap-2.3.so.0 libldap-2.2.so.7 <-- これが異なる # ln -s /usr/lib/libssl3.so libssl.so.4 # ln -s /lib/libcrypto.so.6 libcrypto.so.4
OKやCancelボタンが黒くなる問題の修正
Vine5ではダイアログボックスなどのOKやCancelボタンが黒くなってしまいます。これはcootrcを修正することで解消されます。修正点は以下の通り。
:/usr/local/coot-0.6.2/share/coot/cootrc''です。
48 style "button" = "default" 49 { 50 # fg[PRELIGHT] = { 1.0, 1.0, 1.0 } 51 # bg[PRELIGHT] = { 0, 0, 0.75 } 52 bg[PRELIGHT] = { 0.93, 0.93, 0.96 } 53 fg[PRELIGHT] = { 0.0, 0.0, 0.0 } 54 bg[NORMAL] = { 0.85, 0.85, 0.85 } <-- 追加 55 fg[NORMAL] = { 0.0, 0.0, 0.0 } <-- 追加 56 }
リビジョンによって若干の違いはあるかもしれませんが、だいたい50行目付近のbuttonスタイルの定義の部分を修正します。この例だと54行目、55行目のbg[NORMAL]およびfg[NORMAL]が背景色、文字色に相当します。
メニューのフォントを変える
上と同様にしてcootrcを修正することで、メニューのフォントを変えることができます。
23 style "defaultfont" 24 { 25 # fontset = "-adobe-helvetica-medium-r-normal--*-100-*-*-*-*-*-*,*" 26 # font = "-adobe-helvetica-medium-r-normal--*-75-*-*-*-*-*-*,*" <-- コメントアウト 27 font_name = "VL Gothic" <-- 追加 28 }
PROBEを使う
MolProbityのPROBEコマンドをインストールしておくと[Validate]->[Probe crashes]コマンドが使えるようになります。
COOTをビルドしよう! -- 上級者向き
aptでインストール
- rsync
手順
どうしても自分でCOOTをビルドしてみたい!という人は以下の操作でビルドできるようです。すべてのファイルを自動でダウンロードしてビルドしていくので非常に時間がかかると思います(なんせ、GTKまで取りに行くぐらいですから・・・)。正確に計ったわけではありませんが30分から1時間ぐらいは覚悟しましょう。
自動ビルドスクリプトがCOOTのサイトにあるのでそれをとってきます。最新版を使わないとうまくいかないかも。-- http://www.ysbl.york.ac.uk/~emsley/build-logs/build-it
% setenv AUTOBUILD_BUILD /home/dobuo/coot-autobuild % build-it
Python対応版が欲しいときはbuild-it pythonというようにするとbuild_typeがgtk1-pythonになります。またディフォルトではログファイルは$HOME/public_html以下に出力されますが、環境変数LOGSをセットすることで出力先を変更できます。
その他の設定次第ではIntel Compilerも使えるかも?(試してませんが)
ディフォルトの状態ではビルドされたファイル群は$HOME/autobuild以下に出力されます。どうやらNightly buildを作るためのもののようです。2008年12月16日ではCoot-0.6-pre1 build-1694でした。