CCP4 6.0.2のインストール  

バイナリからのインストール -- Vine 4/Vine 3  

通常はわざわざコンパイルせずに、バイナリを使用すれば十分でしょう。苦労して自分でコンパイルする程のメリットはないと思います。

aptによるインストール  

以下のプログラムをインストールします。

BLTのインストール  

CCP4のバイナリパッケージで配布されるBLTを使った方が軽いという報告もありましたので試してみてください
Tcl/Tkで使われるツールキットであるBLTをインストールします。これはCCP4iで使われています。CCP4のページからでもダウンロードできますが、たぶんTcl/Tkのバージョンが合わないのでコンパイルしましょう。

BLT2.4z.tar.gzをダウンロードし、適当に展開してインストールします。

% tar zxvf BLT2.4z.tar.gz
% cd blt2.4z
% ./configure
% make
# make install
# ldconfig

でインストール完了です。

CCP4のインストール  

簡単です。強いて困難な点を挙げるならファイルがデカいです。
Vine 4.2では、RedHat8用のバイナリをダウンロードします。

  1. automated Downloads Pagesを開きます
  2. Choose plathomeでLinux > Red hat 8.0 -> 9.0 (x86)を選択します
  3. Choose packagesではCCP4, Phaser, CHOOCH, CCP4 Molecular Graphics, COOTのExecutablesにチェックを入れて次に進みます。External Toolsは不要です
  4. ライセンスなどに同意すればダウンロードページにたどり着きます。ファイルは300MB弱あります

ダウンロードしたら適当なディレクトリに展開してインストールスクリプトを実行するだけです。ディフォルト設定ではinstall.shを実行したディレクトリに展開されるようです。それ以外のディレクトリにインストールする場合は、スクリプトを実行したときの「ディフォルトでインストールするか?」という質問にnoと答えれば設定可能です。

# mkdir /usr/local/ccp4
# cd /usr/local/ccp4
# tar xvf CCP4-Lin-RH8.tar
# sh install.sh

この方法でインストールすると、CCP4MGとCootも同時にインストールできるので便利です。通常はこの方法でインストールすると簡単でいいでしょう。なお、ccp4-6.0と同じディレクトリにsetup-scriptsというディレクトリができ、その中に設定ファイルが入っています。

- setup-scripts
  + csh
  | + ccp4.setup         (CCP4本体用セットアップファイル)
  | + ccp4-others.setup  (CCP4以外のセットアップファイル)
  + sh
    + ccp4.setup
    + ccp4-others.setup

シェルにあわせて読み込めば環境変数がセットされます。以前のようにプログラムにあわせて環境設定ファイルを指定しなくてもいいようなので設定が簡単になっています。
例えば、cshの場合なら.cshrcに以下の行を追加します。

# for CCP4
source /usr/local/ccp4/setup-scripts/csh/ccp4.setup
source /usr/local/ccp4/setup-scripts/csh/ccp4-others.setup

再度シェルを起動すればCCP4が使えるようになります。ただし、このままでは

/usr/bin/. 許可がありません

というメッセージが出力されます。この状態ではPhaserの環境がセットアップされませんので以下の修正を行います。

ccp4-others.setupの修正  

セットアップファイルを読み込んだときに出る問題に対処するために、ccp4-others.setupを修正します。

12: . /usr/local/ccp4/ccp4-6.0.2/src/phaser/phaser-2.1.1/build/intel-linux/setpaths.csh

の行を

12: source /usr/local/ccp4/ccp4-6.0.2/src/phaser/phaser-2.1.1/build/intel-linux/setpaths.csh

と修正します。sh版も同様に.をsourceに変更します。
これで準備が完了しました。

 

CCP4のパッケージではCOOTが0.3.3と少し古くなっています。最新の機能を使いたい人はCOOTもインストールしましょう

トラブルシューティング  

Vine 4.0においてCCP4iの固定長フォントが崩れる問題  

Vine 4.2ではこの問題は発生しないようです
Vine 4.0でCCP4iを使ったときにジョブリストのフォントが少し崩れるようです。CCP4iの設定を変更することにより解消されます。
メイン画面の右下、System Administration -> Configure Interfaceを開くと下の方にFontsと言う項目があるのでクリックして表示させます。その中に'Fixed width'というフォント項目があるので、

-*-courier-*-r-*-*-*-140-*-*-*-*-*-*

などとなっているのを

-Adobe-courier-*-r-*-*-*-140-*-*-*-*-*-*

に変更します。
フォントサイズは大、中、小があるので3つとも編集します。
rootで作業した場合は全ての環境に反映させることができますが、ローカルユーザーの場合は自分だけに反映させます。CCP4iを再起動するとフォントが変わっているはずです。

Coot使用時のlibImlibについて  

Coot起動時に以下のエラーが出ました。

coot-real: error while loading shared libraries: libImlib.so.11: cannot open shared object file: No such file or directory

どうやらCootではlibImlib.soのリンクをlibImlib.so.11としているようなので、/usr/libにシンボリックリンクを作成します。

# cd /usr/lib
# ln -s libImlib.so.1.9.14 libImlib.so.11
# ldconfig

で解消されます。(libImlib.so.1.9.14のバージョン番号は環境により異なるかもしれませんので確認してください)

CCP4MG使用時に小さいウィンドウしか表示されない  

CCP4 6.0.2では修正されていました
CCP4MGを起動するとエラーは何も出ないのに(.CCP4MG/ccp4mg_stderr.txtにはlibtcl.so.0がないというエラーが出力されます)、小さい黒いウィンドウしか表示されません。
CCP4MG内のライブラリのシンボリックリンクが問題のようです。これを解消するにはCCP4MGディレクトリ内にシンボリックリンクを張る必要があります。

% cd ${CCP4_MASTER}/ccp4-mg-0.12.1/tcltk/lib
% ln -s libtcl.so libtcl.so.0
% ln -s libtk.so libtk.so.0

これでちゃんと起動するようになります。

Intel Compilerでコンパイル -- Vine 3.2  

バイナリをそのままインストールするのも悪くないのですが、せっかくIntel Compilerがあるのでソースからインストールしてみました。コンパイルにはPentium4 2.6GHzで3時間弱かかりました。びっくり。
ただし、これだけ苦労するメリットがあるかどうかは謎です。

 

ソースからインストールされるのはCCP4、Phaser、CHOOCHです。CCP4MGおよびCootは別に自力でインストールする必要があるのですが、ソースからのインストールは試してません。

必要なプログラムをインストール  

これらのプログラム(ライブラリ)がないとコンパイルが成功しません。

CCP4のコンパイル  

% tar xvf CCP4-Oth-.tar
% sh install.sh

後はディレクトリを指定してコンパイルするコンポーネントなどを選択すればコンパイル、インストールされます。じっくり待ちましょう。