構造解析ことはじめ CCP4

Cootのインストール Vine5 CentOS5  

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0.6.1のインストール Vine5  

2010-02-22現在の最新版0.6.1をVine 5.0にインストールしてみました。
使用したパッケージはCentOS4版であるcoot-0.6.1-binary-Linux-i386-centos-4-gtk2.tar.gzで、インストール方法は0.5.2と同様ですが、cURLのバージョンとの関連だと思われますが、インストール後ライブラリへのシンボリックリンクが必要となります。私の環境では以下のようにリンクを張りました。

Coot-0.6.1/lib以下

具体的な手順は以下の通り -- Vine5

# cd /usr/local/ccp4-6.1.3/Coot-0.6.1/lib <-- COOTインストールディレクトリ以下のlibディレクトリに移動
# ln -s /usr/lib/libldap-2.4.so.2 libldap-2.2.so.7
# ln -s /usr/lib/libssl3.so libssl.so.4
# ln -s /lib/libcrypto.so.6 libcrypto.so.4

これで起動可能なはずです。もう一つの手段としてバイナリファイルcoot-real, curl, libcurl.so.4.1.1の共有ライブラリファイル名の部分を0x00で上書きするという力技も可能ですが、この手順の方が簡単な上確実だと思います [smile]

ちなみにCentOS5では以下の様になります -- CentOS5

# ln -s /usr/lib/libldap-2.3.so.0 libldap-2.2.so.7  <-- これが異なる
# ln -s /usr/lib/libssl3.so libssl.so.4
# ln -s /lib/libcrypto.so.6 libcrypto.so.4

ファイルの取得  

Cootは割と頻繁にアップデートされているので最新版を追いかけたいという方は、CCP4のパッケージではなく、Coot本家サイトからファイルを取得することになります。もっと最新版を追いかけたい追っ掛けさんはNightly build*1をどうぞ。

本家FTPサイトからアーカイブファイルを取得しますが、ディストリビューションごとに使用するファイルが異なるので注意してください。

バグフィックス版(0.6pre-release)  

RedHat8版の0.5.2でfit loopを使おうとするとクラッシュする、REFMACを実行しようとするとクラッシュする、という問題がFixされています。

インストール方法は0.5.2と同じです。

ファイルの展開とインストール  

ファイルの展開  

ファイルをダウンロードしたら/usr/local/ccp4の下あたりに展開します。CCP4をインストールしていないという奇特な方は/usr/local以下でいいと思います。CentOSの方はcoot-.tar.gzを読み替えて下さい。

# cd /usr/local/ccp4
# tar zxvf coot-0.5.2-binary-Linux-i386-redhat-8.0.tar.gz

これで/usr/local/ccp4/coot-Linux-i386-redhat-8.0というディレクトリができて、実行ファイルなどが配置されます。
このままだと後からバージョンがわからなくなるので名前を変更します。

# mv coot-Linux-i386-redhat-8.0 Coot-0.5.2

CCP4 6.0.2ではCoot-0.3.3というディレクトリがあるはずなのでそれに合わせてあります。

実行パスの設定  

CCP4がインストールされている環境ではセットアップ時にCoot-0.3.3にパスが通されるため、セットアップファイルを修正します。sh環境とcsh環境で修正するファイルが異なります。両方更新したほうがいいかもしれません。

/usr/local/ccp4/setup-scripts/sh/ccp4-others.setup
2: export PATH=/usr/local/ccp4/ccp4-6.0.2//bin:/usr/local/ccp4/ccp4mg-1.1.1/bin:/usr/local/ccp4/Coot-0.3.3/bin:${PATH}
この行のCoot-0.3.3の部分をCoot-0.5に変更します。
2: export PATH=/usr/local/ccp4/ccp4-6.0.2//bin:/usr/local/ccp4/ccp4mg-1.1.1/bin:/usr/local/ccp4/Coot-0.5.2/bin:${PATH}
/usr/local/ccp4/setup-scripts/csh/ccp4-others.setup
2: setenv PATH /usr/local/ccp4/ccp4-6.0.2//bin:/usr/local/ccp4/ccp4mg-1.1.1/bin:/usr/local/ccp4/Coot-0.3.3/bin:${PATH}
同様に修正します。
2: setenv PATH /usr/local/ccp4/ccp4-6.0.2//bin:/usr/local/ccp4/ccp4mg-1.1.1/bin:/usr/local/ccp4/Coot-0.5.2/bin:${PATH}

以上で修正が完了しました。新しくターミナルを開けば新しいCootが使用可能になっているはずです。なおCentOSではgtk2版なのでウィンドウのボタンなどが少々賑やかになっています。ユーザーインタフェースも多少異なってるかも・・・

PROBEを使う  

MolProbityのPROBEコマンドをインストールしておくと[Validate]->[Probe crashes]コマンドが使えるようになります。

Ver.0.5(RedHat8版)でModel/Fit/Refineの色が消える  

(2008-09-26)通常、Model/Fit/Refineのツールボックスはグラデーションでカラフルですが、0.5のModel/Fit/Refineツールボックスはグレーになってしまってます。これは仕様かと思っていたのですが、COOT MLによるとgtk1とgtk2の違いによるものらしく、修正されたファイルが公開されています。
http://www.ysbl.york.ac.uk/~emsley/software/fixes/のcootrcファイルをCOOTインストールディレクトリ/share/coot/cootrcと置き換えることで解決します。(0.5.2では解決済)

Vine 5.0でCentOS4 GTK2版を使う  

(2009-08-28) Vine 5.0で0.6-pre1(rev.2234) GTK2版のCootを使うとダイアログボックスなどのOKやCancelボタンが黒くなってしまいます。これは上のModel/Fit/Refineのいろが消えるというのと同じ問題でcootrcを修正することで解消されます。修正点は以下の通り。
なお、cootrcはCOOTインストールディレクトリ/share/coot/cootrcです。

48 style "button" = "default"
49 {
50 #  fg[PRELIGHT] = { 1.0, 1.0, 1.0 }
51 #  bg[PRELIGHT] = { 0, 0, 0.75 }
52    bg[PRELIGHT] = { 0.93, 0.93, 0.96 }
53    fg[PRELIGHT] = { 0.0, 0.0, 0.0 }
54    bg[NORMAL] = { 0.85, 0.85, 0.85 } <-- 追加
55    fg[NORMAL] = { 0.0, 0.0, 0.0 }    <-- 追加
56 }  

リビジョンによって若干の違いはあるかもしれませんが、だいたい50行目付近のbuttonスタイルの定義の部分を修正します。この例だと54行目、55行目のbg[NORMAL]およびfg[NORMAL]が背景色、文字色に相当します。

メニューのフォントを変える -- Vine 5.0  

(2009-08-28) 上と同様にしてcootrcを修正することで、メニューのフォントを変えることができます。

23 style "defaultfont"
24 {
25 #  fontset = "-adobe-helvetica-medium-r-normal--*-100-*-*-*-*-*-*,*"
26 #  font = "-adobe-helvetica-medium-r-normal--*-75-*-*-*-*-*-*,*" <-- コメントアウト
27    font_name = "VL Gothic"                                       <-- 追加
28 }

Pythonでハックするために  

(2008-10-09)COOTには強力なスクリプティング機能が備わっていますが、通常版(ファイル名に-pythonって付いていないアーカイブ)はSchemeでのスクリプティングにしか対応していません。Schemeでスクリプティングを行う際にはそれでいいのですが、せっかくPython対応を謳っているのでPythonでのスクリプティングを使いたい人へのアドバイスです。なお、WinCootはPythonにしか対応していません。

気づいた変更点(Ver.0.4.1 -> 0.5)  

インストールの変更点はほとんどありません。

こんな感じです。Pythonをインストールして少しだけ設定をする必要があるのでPythonにこだわらない人には不要ですが、COOTをPythonで操ってみたい人は試してみて下さい。

PythonのインストールとCOOT起動時の設定変更 -- Vine 4  

Vine 4.2にインストールされているPythonは2.4ですが、COOT 0.5ではPython 2.5.2を使っているようです。そのため、標準モジュールが使えないので該当するバージョンのPythonをインストールします。ただし、Pythonはシステム管理用のスクリプトにも使われていたりするので上書きしてしまうと何かと問題が起きそうなので別ディレクトリにインストールします。

  1. http://www.python.org/download/releases/2.5.2/からPython-2.5.2.tar.bz2をダウンロードします。
  2. 適当なディレクトリで作業します
    % tar zxvf Python-2.5.2-tar.bz2
    % cd Python-2.5.2
    % ./configure --prefix=/opt/python-2.5.2  <-- 別ディレクトリにインストールする
    % make
    # make install

以上でインストールが完了するはずです。
続いてCOOTで今回インストールしたPythonのモジュールを使う設定をします。結局のところ、COOTが起動する際にインストールしたPythonのモジュールディレクトリを知らせる必要があるわけです。私はこんなスクリプトから起動するようにしました。

coot-python
#!/bin/tcsh
setenv PYTHONHOME /opt/python-2.5.2/lib/python2.5
setenv PYTHONPATH ${PYTHONHOME}
coot

このファイルをパスの通ったディレクトリにでもおいて起動します。これでPythonスクリプト対応版COOTを使用することができます。

COOTをビルドしよう! -- 上級者向き  

aptでインストール  

手順  

どうしても自分でCOOTをビルドしてみたい!という人は以下の操作でビルドできるようです。すべてのファイルを自動でダウンロードしてビルドしていくので非常に時間がかかると思います(なんせ、GTKまで取りに行くぐらいですから・・・)。正確に計ったわけではありませんが30分から1時間ぐらいは覚悟しましょう。
自動ビルドスクリプトがCOOTのサイトにあるのでそれをとってきます。最新版を使わないとうまくいかないかも。-- http://www.ysbl.york.ac.uk/~emsley/build-logs/build-it

% setenv AUTOBUILD_BUILD /home/dobuo/coot-autobuild
% build-it

Python対応版が欲しいときはbuild-it pythonというようにするとbuild_typeがgtk1-pythonになります。またディフォルトではログファイルは$HOME/public_html以下に出力されますが、環境変数LOGSをセットすることで出力先を変更できます。
その他の設定次第ではIntel Compilerも使えるかも?(試してませんが)
ディフォルトの状態ではビルドされたファイル群は$HOME/autobuild以下に出力されます。どうやらNightly buildを作るためのもののようです。2008年12月16日ではCoot-0.6-pre1 build-1694でした。

*1 開発中のソースをコンパイルしたもの。リリース前の最新版ですが、不安定なこともあります。通常使用は一般的に危険なので自己責任で使いこなせる人限定!