構造解析ことはじめ/03 プログラムのインストール
Lafire 3.0aのインストール -- Vine 4
LafireのGUIであるVer.3.0αをインストールしてみます。
が、Vine 4.2へのインストールはかなり煩雑なので、上級者向きだと思います。Windows版なら非常に簡単に導入できるので、WindowsにCCP4をインストールしている方はそちらの方がいいかもしれません。また、GUIが不要な場合は2.6のセットアップと同じです。
Lafire GUIはQt(きゅーと、と読むらしい)の4以上が必要らしいので、自分で構築する必要があり(Vine 4.2ではQt3なのです)、その他Python関係でも悩ませてくれます。手順としてはQt4のインストール、PythonのPyQtモジュールのインストール、環境設定、となります。
- 2009-01-09 -- CentOS 5での調査
- 少しだけCentOSでの状況を確認してみましたが、Vineとあまり変わらないような気がします。どうやらqt4パッケージは存在するのでそれは使えますがPyQt4、PyQwtなどは自分でインストールする必要があります。なお、CentOSのPythonも2.4なので2.5以上が必要になります。
aptによるインストール
- bc -- GNU bc(計算言語)とdc(計算機)。Lafire_setup実行の際に必要
ファイルの取得
- Lafireダウンロードページからファイルを取得します
- 非営利利用の場合、簡単なユーザー登録でダウンロードが可能です。ページ内の「ダウンロード用のユーザーアカウントとパスワードの申請」をクリックしてユーザー登録画面を開き、そこで、User Name(どうやらスペースなしの半角英数字の組み合わせ。スペース入りで申請したらうまく登録されずダウンロードできませんでした)、Passwordなどを入力し、Submitします
- しばらくするとメールが届くので、ダウンロードページの「ダウンロード」ページを開きます
- 先ほど登録したユーザー名とパスワードで認証すると2.61および3.0aのプログラムダウンロード画面が開きます。
Qt4関連のインストール
Qt4のRPMを構築し、インストールします。Vine 4.2では通常のバイナリパッケージではQt4は提供されていませんのでVineSeed*1から構築しました。バイナリパッケージを置いておきますので通常はそちらを利用してください。このバイナリパッケージを利用する場合はRPMのインストールからはじめてください。
折角なのでVineSeedからQt4のパッケージを取得してVine4用のバイナリパッケージをビルドした記録を残しておきます。
取得するためのFTPサーバについてはVine LinuxのHow to get Vine Linuxを参照してください。そこに示されている適当なサーバのディレクトリ以下のVineSeed/SRPMS.plus/qt4-4.4.3-1vl5.src.rpmを取得します。
必要なパッケージ
Qt4をビルドするには様々なパッケージが必要ですが、私の環境では以下のパッケージが必要だったのでaptでインストールします。他に不足している場合は追加してください。
- gcc4
- gcc4-c++
- libmng-devel
- libungif-devel
- cups-devel
- dbus-devel
これらをまずインストールします。
Qt-4.4.3 RPMパッケージのビルド
必要なパッケージがインストールされたらRPMパッケージをビルドします。この手順ではgcc4を使いますのでまずgccの切り換えを行います。
# update-alternatives --config gcc There are 2 alternatives which provide `gcc'. Selection Alternative ----------------------------------------------- *+ 1 /usr/bin/gcc-3.3.6 2 /usr/bin/gcc-4.0.2 Press enter to keep the default[*], or type selection number: 2 <-- 4.0.2が使いたい
環境によってはSelection番号が変わるかもしれませんがgcc-4.0.2を選択して下さい。同様にcpp(Cプリプロセッサ)とg++も変更します。
# update-alternatives --config g++ # update-alternatives --config cpp
これでgcc4の環境に変更されましたので、続いてQt4をビルドします。これは一般ユーザーでも実行可能です。
% rpm --rebuild qt4-4.4.3-1vl5.src.rpm
rpm --rebuildはRPMパッケージ再構築用のコマンドです。もしエラーが出た場合はrpmbuildが入っていないと考えられますのでaptを使ってrpm-buildをインストールして下さい。
Qt4パッケージの構築には約30-45分ほどかかります。なお、gcc4を使わないとビルド途中でエラーが出ますので気をつけて下さい。
ビルドが終わったらgcc,cpp,g++をupdate-alternateを使って元のバージョンに戻しておきます。
RPMパッケージのインストール
ビルドに成功すると
- rpm/RPMS/i386/qt4-4.4.3-1vl4.i386.rpm -- 11MB
- rpm/RPMS/i386/qt4-designer-4.4.3-1vl4.i386.rpm -- 1MB
- rpm/RPMS/i386/qt4-devel-4.4.3-1vl4.i386.rpm -- 82MB
のファイルができるので本体とdevelパッケージをインストールします。
# rpm -ivh qt4-4.4.3-1vl4.i386.rpm # rpm -ivh qt4-devel-4.4.3-1vl4.i386.rpm
Python環境の整備
Python-2.5のインストール
LafireはPython 2.5以上の対応と書かれていますのでCOOTのインストールを参考にしてPython 2.5をインストールして下さい。ひょっとしたら2.6でもいいのかもしれませんが試してません。
SIP-4.7.9のインストール
PythonでC,C++のライブラリ用バインディングを作成するためのツールであるSIPをインストールします。
標準的なPythonモジュールのインストール方法で行います。
% tar zxvf sip-4.7.9.tar.gz % python configure.py % make # make install
PyQt4のインストール
PythonからQt4を使うためのモジュールであるPyQt4をインストールします。
configure.pyスクリプトを修正する必要があります。
% tar zxvf PyQt-x11-gpl-4.4.4.tar.gz % cd PyQt-x11-gpl-4.4.4
PyQtのconfigureスクリプトを修正。Qtを共有ライブラリとして使う設定にならないので修正します。静的リンクするとQtCoreなどをインポートするときに問題が起こります。
- configure.py
1587 //#if defined(QT_SHARED) || defined(QT_DLL) 1588 out << "shared\\n"; 1589 //#else 1590 // out << "\\n"; 1591 //#endif
このように1587,1589-1591行目をコメントアウト。
% python configure.py % make (ビルドに30分ほどかかります) # make install
PyQwtのインストール
データをプロットするためのモジュールであるPyQwtをインストールします。
通常のモジュールインストールと同様です。
% tar zxvf PyQwt-5.1.0.tar.gz % cd PyQwt-5.1.0/configure % python configure.py -Q ../qwt-5.1 % make # make install
Lafire本体のインストール
ようやくLafire本体をインストールします。
本体のインストールはtarファイルを展開するだけです。
# cd /usr/local # tar zxvf Lafire-Linux-3.0a.tar.gz
iLafireの修正
Lafire GUIであるiLafireを修正します。通常のままだと別のPythonを使ってしまう(例えばCCP4のPython)ので、環境変数をセットして起動するようにします。
- /usr/local/Lafire-Linux-3.0a/python_script/iLafire
#!/bin/csh setenv PYTHONHOME /opt/python-2.5.2 <-- 追加 setenv PYTHONPATH ${PYTHONHOME}/lib/python2.5 <-- 追加 setenv PATH ${PYTHONHOME}/bin:${PATH} <-- 追加 python $LAFIRE_DIR/python_script/lafiregui4.py
環境設定と起動
いつものように.cshrcに以下の行を追加します。
setenv LAFIRE_DIR /usr/local/Lafire-Linux-3.0a setenv PATH ${LAFIRE_DIR}/bin:${LAFIRE_DIR}/python_script:${PATH}
後は設定ファイルを読み込み直します。
ここまできたらようやく起動です。
% iLafire
お疲れさまでした。
それにしても最近はPythonのバージョンが混在するから環境設定がめんどくさい・・・2.xは互換性があるらしいので2.6にまとめてしまえばいいのかな?
Lafire 2.6のインストール -- Vine 4
LAFIREはドキュメントにもあるとおりCNSまたはREFMACを使って精密化を行うため、CNSまたはCCP4がインストールしてある必要があります。なお、CNSはバージョン1.2に対応しているみたいです。
aptによるインストール
- bc -- GNU bc(計算言語)とdc(計算機)。Lafire_setup実行の際に必要
インストール
ファイルの配置
ダウンロードページにきちんとした日本語マニュアルが存在しますのであまり解説することもないと思いますが・・・
ドキュメント通りにインストールします。
# cd /usr/local # tar zxvf Lafire-RedHat-v2.6.tar.gz
これで/usr/local/Lafire-2.6-linuxにファイル一式が展開されます。
使用準備
この後は一般ユーザーで作業します。
% cd /usr/local/Lafire-2.6-linux % ./configure
configureはコンパイルの準備ではなくて、実行環境を確認するものなのでCCP4とCNSが使える環境で実行して下さい。ただし、Qtの確認でエラーが出ると思いますが無視しましょう。
QT has not been installed on this machine. Please install it.
続いて.cshrcファイルを編集します。適当な場所に
setenv LAFIRE_DIR /usr/local/Lafire-2.6-linux setenv PATH ${LAFIRE_DIR}/bin:${PATH}
を追加しておきます。
以上で準備は完了です。