MolProbityのインストール
MolProbityはWebサービスとプログラムのパッケージです。プログラムを使うだけならパスを通すだけですが、Webサービスも使う場合はApacheの設定が必要になります。
プログラムのインストール
まず、お手軽に使えるプログラムのインストールから始めます。ファイルを展開するとWebサービス、プログラムが共に展開されます。
ファイルの展開
取得してきたmolprobity.tgzを使い、作業はrootで行います。
# cd /usr/local # tar zxvf molprobity.tgz # chmod -R root:root molprobity
パスの設定
パスを通すディレクトリは2つあります。.cshrcの適当な位置に以下の行を追加します。
# for MolProbity setenv PATH /usr/local/molprobity/bin:/usr/local/molprobity/bin/linux:${PATH}
ログインし直せばMolProbityのプログラムを使用できるようになります。使い方は全然調べてません 。なお、MolProbityのプログラムが使用できるようになれば、COOTでValidationメニュー内の項目が増えているはずです。
Webサービスを使えるようにする -- Vine 5
解析途中のデータを預けてしまうのは何かと不安とか手元にプライベートサーバがある方が楽という場合は、プライベートサーバを構築することもできます。確認した環境は以下の通りです。MolProbity 3.15 (2008-03-07版)で確認しました。
詳細な手順は/usr/local/molprobity/doc/installing.htmlに記述されています。
- インストール済みMolProbity本体
- Apache 2.2.13
- PHP 5.3.0
- Java 1.6.0
aptでインストールする
- java-1.6.0-sun (ドキュメントによるとSunのJavaじゃないとダメみたいです)
- apache2
- php5-apache2
Apacheの設定
Apacheの設定は複雑ですが、aptでphp5-apache2をインストールした場合、すでにApacheでPHPが使えるようになっているので少し設定を変更するだけです。ディストリビューションによっては設定ファイルの場所が異なっていると思いますので適宜読み替えて下さい。Vine5では/etc/apache2/conf/httpd.confになります。
- httpd.confの確認
- MolProbityではファイルをアップロードすることがあるのでアップロードファイルサイズの制限がセットされている場合は適切に変更します。ディフォルト状態では無制限ですが、LimitRequestBodyディレクティブが設定されている場合は確認しておいて下さい。
- mime.typesの場所の確認。インストール方法によって後で変更するmime.typesファイルの位置が異なるので確認しておきます。TypesConfigディレクティブで記述されています。
- conf.d/molprobity.confの作成
- アクセス先を設定します。通常の設定では/etc/apache2/conf.d/*.confを読み込むようになっているのでconf.d以下にmolprobity.confというファイルを作成します。読み込むかどうかを確認する場合はhttpd.confファイル中に、
Include conf.d/*.conf
の記述があるかどうかを確認して下さい。
書き込む内容は、Alias /mol /usr/local/molprobity/public_html <Location /mol> Options +FollowSymLinks +ExecCGI </Location>
です。
- mime.typesの修正
- 先ほど調べておいたmime.typesに以下の行を追加します。Vine5では/etc/mime.typesでした。
# for MolProbity text/kinemage kin
PHPの設定
MolProbityではPHPを使っているので環境設定を行います。おそらくほとんどのパラメータをいじる必要がないと思いますが、関係があると思われるパラメータを載せておきます。環境設定はシステムによって異なりますが/etc/php.ini、/usr/local/lib/php.iniあたりにあることが多いようです。Vine5では/etc/php5/php.iniでした。
- アップロードファイルサイズのpost_max_size、upload_max_filesizeを適切な値に変更。この際、memory_limitを増やす必要があるかもしれません。ディフォルト値は8Mになってました。PDBファイルをアップロードするだけなら十分な値だと思います。電子密度などもアップロードするならもっと大きな値が必要でしょう。
パラメータ名 | 値 |
post_max_size upload_max_filesize memory_limit | 適切な値 |
---|---|
file_uploads | On |
allow_url_fopen | On |
magic_quotes_gpc magic_quotes_runtime magic_quotes_sybase | Off |
display_errors | On(動作確認後Off) |
session.use_only_cookies | 0 |
MolProbityの設定
ディレクトリのパーミッションなどを設定するためにセットアップスクリプトを実行します。
# cd /usr/local/molprobity # ./setup.sh
実行するとPHP Warning: date(): It is not safe...やPHP Deprecated: Function set_magic_quotes_runtime()...というようなメッセージが出るかもしれませんが問題ありません。
細かいことですが、共用サーバなどでセキュリティを気にするなら/usr/local/molpribity/以下のディレクトリのパーミッションを変更します。気にしないならそのままでもよいでしょう(セキュリティホールになりうるということは認識して置いて下さい)。なお、ここではapache:apacheにしてありますが、Apacheサーバの設定状況によって異なるので気をつけて下さい。httpd.confのUserおよびGroupに記述されているユーザーにします。
ディレクトリ | 所有者 | パーミッション |
tmp/ | apache:apache | 700 |
feedback/ | apache:apache | 700 |
public_html/data/ | apache:apache | 700 |
コマンドは以下の通り(/usr/local/molprobityにいるとします)、
# chmod 700 tmp feedback public_html/data # chown -R apache:apache tmp feedback public_html/data
細かい設定
MolProbityの細かい設定はconfig/config.phpで行います。私が確認したところ特にいじらなくても動作しましたが細かい設定が必要なら修正して下さい。
Webサーバ起動
ここまで設定ができたらWebサーバを起動します。
# service apache2 start <-- Vine5の場合
または、
# /usr/local/apache2/bin/httpd start <-- インストールした場所で異なります
です。すでに起動している場合は、再起動して下さい。
# service apache2 restart
動作確認
Webブラウザでhttp://localhost/molにアクセスすることでトップページが表示されたら成功です(^^)v。この段階ではphp.iniのdisplay_errorsがOnになっているのでWarningがいっぱい出力されますが、Warning: date()...やDeprecated: Function eregi()...なら問題ありません。Unable to openなどのエラーメッセージがあればパーミッション設定が間違っているので確認して下さい。
一通り動作確認ができたらphp.iniのdisplay_errorsをOffにします。