PDBへの登録  

登録の流れ  

PDBj (http://www.pdbj.org/index_j.html) からPDBデータ登録を選ぶと、登録チュートリアル (日本語, 英語, ハングル, 繁体中国語, 簡体中国語)Auto Dep Input Tool(ADIT)、のページに飛びます。登録の際はADIT!を使います。
登録する際には、

を用意しましょう。PDBとMTZ(CV)ファイルはgzipで圧縮してくれと書いてあるのであらかじめ圧縮しておくとよいでしょう。ログファイルは数値を入力する際に参考にします。
MTZファイルは位相なしのファイルでいいです。
PDB登録の入力項目は変わることがあるのでよく確認して下さいね。

内容のチェック  

登録を始める前にADITのページでファイル形式のチェック、構造のチェックが可能です。このチェックを行ってから実際に登録すると後から修正する手間が省けます。

PDBファイル
よくある抜け。

登録項目  

構造を解いたらPDBに登録します。その時のちょっとしたメモ。

Reflections  

Net I over average sigma(I)
つまりOverallのI/σ(I)ってことらしい。HKL2000だとscale.logのSummary of reflections intensities and R-factors by shellsのセクションからI/σ(I)を求めることができます。
Shell Lower Upper Average      Average     Norm. Linear Square
limit    Angstrom       I   error   stat. Chi**2  R-fac  R-fac
     30.00   5.16  1528.1    42.9     8.4  0.996  0.033  0.040
      5.16   4.10  1516.0    32.1     6.6  1.021  0.030  0.036
      4.10   3.58   790.1    17.4     5.2  1.045  0.034  0.038
      3.58   3.26   408.5     9.8     4.3  1.021  0.040  0.044
      3.26   3.02   218.1     6.1     3.6  1.014  0.049  0.049
      3.02   2.85   110.7     4.3     3.2  1.053  0.074  0.069
      2.85   2.70    71.6     3.7     3.2  1.056  0.103  0.097
      2.70   2.59    48.2     3.5     3.2  1.091  0.150  0.139
      2.59   2.49    36.0     3.6     3.3  1.081  0.201  0.181
      2.49   2.40    23.9     3.6     3.4  1.109  0.304  0.286
 All reflections    474.6    12.7     4.4  1.049  0.040  0.039
この表でAverage IをAverage errorで割ればいいだけだそうな。この場合Overallは474.6 / 12.7で37.4になります。またReflections: High Resol. ShellのMean I over sigma(I)でも同じで2.49-2.40のシェルで23.9 / 3.6 = 6.6をすればいいわけです。
Redundancy
HKL2000のscale.logのAverage Redundancy Per Shellっていう項目があります。そこを見れば一発解決でした。

Refinement  

精密化後の値を入力します。REFMACで処理したPDBをデポジットしてればほとんどの値が自動的に入力されます。CNSで処理した場合はxtal_submissionで準備しておいたPDBで同じように値が入力されます。

Refinement Statistics
ほとんど埋まってます。一部手入力の部分を解説します。
  • Cut-off sigma(F)
    特に精密化のパラメータをいじってなければ0.0のはずです。
  • Number unique reflections (all)
Resolution Shells
一部手入力です。
  • Number of reflections (observed)
    PDB中のFIT IN THE HIGHEST RESOLUTION BIN.中のREFLECTION IN BIN (WORKING SET) + BIN FREE R VALUE SET COUNTの値です。
RMS Deviations
入力済みです

登録した後は…  

ADITで登録した後、登録が完了したことを知らせるメールが、登録者に届きます。また、概ね1週間以内にwwPDBの編集者からメールが届きます。
このとき項目に不備があれば書いてあるのでそれに従って修正しましょう。だいたいはメール通りそのまま処理してもらっても大丈夫だと思います。返事は英語で書いてありますので、返答も英語で行ってください。英語以外で送った場合、英語で送り直すよう要請されます。 [huh]

その後、また確認メールが来て…という繰り返しになりますが、終わったら登録時に設定したHOLD期間の後、正式に登録されます。

HPUB (登録データに関する論文が出たら公開) の場合、論文が出たことを知らせないと、いつまでも公開されない可能性があります (最近ではかなり減りましたが)。最近では、PDBデータのリリース日が確定しないと論文を最終的にacceptしない、という雑誌もあるので、論文掲載が決定したら早めにwwPDBの編集者に伝えましょう。HPUBで注意しないといけないのは、epub (オンライン掲載) を以って登録データを公開するよう指示している論文が多いことです。「まだ冊子体で出版されていないから、登録データの公開依頼ははまだ先でいいや」と放っておくと、雑誌の担当者から怒られます。

HPUBで登録したけど論文が通らないまま登録から1年を経過すると、WITHDRAWN (登録の取り下げ) を申請しない限り、登録データが公開されます。1年に到達する前に何度かお知らせメールがくるので、要チェック。