PyMOLリファレンス
ちょっとしたリファレンスを作ってみようと思います。PyMOLリファレンスを参考にしています。
基本用語
日本語に訳してあるのでオリジナルドキュメントとはニュアンスが微妙に異なるかもしれませんが、本ドキュメント内で使用する用語をまとめておきます。
オブジェクト
様々な操作の基本となるオブジェクト。名前パネル(Names panel)内にはカッコなしで表示されます。分子オブジェクト、距離オブジェクトなどがあります。
セレクション
オブジェクト内で選択された残基や原子。色を変更したり、隠したりすることができますが、一部の操作(セレクションだけスティックの太さを変えるなど)はできません。その場合はcreateを使ってオブジェクト化することで操作可能になります。
属性(state)
stateをそのまま訳すと「状態」になると思いますがなんとなくしっくりこないので、属性とします。線の太さや色などを表します。
ピック(Picking Atoms and Bonds)
Ctrl+右クリック(1原子を選択)、Ctrl+真ん中クリック(4原子までを選択)で選択すること。ピックされた原子は名前パネル中にセレクションとして(pk*)で表されます。2原子をピックした状態でdistanceなどを実行するとそれらの原子間に対して操作を行うことができます。
また(pk*)に対して操作を行うこともできるようです。
コマンドリファレンス
bond
対象となる原子同士の結合を作成します。対象を指定しない場合は、ピックされた2つの原子間を結合します。
bond [原子1, 原子2[, 順序]]
- 補足
- 結合する原子は同一オブジェクト内に限ります。
create
セレクションから分子オブジェクトを作成します。分子オブジェクトを作成することで、セレクションには設定できない属性などを操作することができます。
create 名前, (セレクション)[, source_state=0[, target_state=0]]
- 名前 -- 作成するオブジェクト名
- セレクション
- source_state -- ディフォルト:0、属性を全て引き継ぐ
- target_state -- ディフォルト:0
- 補足
- source_stateおよびtarget_stateが共に0の時(ディフォルト)は、全ての属性が引き継がれます。それ以外の時は指定された属性のみがコピーされます(よくわからない・・・)。
distance
対象となる原子同士の距離オブジェクトを作成します。対象を指定しない場合は、ピックされた2つの原子間を結合します。
distance [(セレクション1), (セレクション2)]
distance 名前 = (セレクション1), (セレクション2)[, カットオフ[, モード=0]]
- 名前 -- 距離オブジェクト名
- カットオフ -- 表示する最大距離
- モード
- 補足
- [Wizard]->[Measurement]を使うと距離オブジェクトを簡単に作成することができます。
set
属性値をセットします。
set 属性名[, 値[, オブジェクトまたはセレクション[, state]]
- 補足
- 主な属性名を以下にまとめておきます。詳細はクックブックを参照して下さい。
属性名 内容 範囲 設定例 参照 cartoon_trace Cαのトレース 0, 1 CαのみのPDBファイルを表示したい dash_gap 距離オブジェクトの点線の点間隔 dash_length 距離オブジェクトの点線の線の長さ dash_width 距離オブジェクトの点線の線の太さ label_color ラベル文字色 white, orangeなど label_font_id ラベルのフォントの種類 数値(環境依存?) label_outline_color 縁取りの色 white, orangeなど label_position オブジェクトからラベルの相対位置 [x,y,z] label_size ラベルのフォントサイズ 数値 sphere_scale van der Waals半径と描画との比率 stick_transparency スティックの透明度 0.0-1.0