#navi(COOTを使ってみよう)
 #floatcontents
 * COOT基本のキ [#hc3d4b89]
 まずはCOOTの基本的な使い方をまとめてみます。~
 この章で目指すこと
 - 座標、マップの読み込み
 - 表示パラメータの調整
 - Auto recovery
 - モデル修正
 
 最低限この機能が使えればモデリングはできるはずです。~
 :参考サイト|
 [[横浜市立大構造科学研究室>http://www.tsurumi.yokohama-cu.ac.jp/xtal/]] -- 「COOTの使い方」に橋本博氏がまとめたCOOTのチュートリアル(PDF)があります。実際の画面がたくさん使われておりわかりやすいです。
 
 ** 座標、マップの読み込み [#z699d839]
 とにかく座標と電子密度がないと始まりません。座標ファイルはPDB形式、電子密度図は位相情報をもつMTZファイル、CCP4形式およびCNS形式のmapファイルに対応しています。なお、位相情報がないMTZファイルでも、モデルを読み込んでいればモデルとMTZから電子密度を計算してくれるようです。
 |内容|ファイル形式|h
 |~モデル座標|PDB、SHELX(ins,res)                               |
 |~電子密度  |MTZ(位相情報付き)                                 |
 |~|CCP4形式map                                                 |
 |~|CNS形式map(読み込みに多少時間がかかる)                      |
 |~|MTZ(位相情報なし;モデル分子とあわせてREFMACで計算してくれる)|
 |~|SHELX(fcf);sigmaAで計算するので読み込みに多少時間がかかる   |
 
 *** モデル分子の座標を読み込む [#mcf9d6c4]
 [File] -> [Open Coordinates...]でファイル選択ダイアログが開きますので、読み込みたいPDBファイルを選択します。その他、[File]メニューでは以下の方法でもモデル分子を読み込めます。
 :Get Monomer|
 モノマー分子をインストールされているCCP4のライブラリから読み込みます。
 :SMILES|
 使ったことはありませんが、[[WikiPedia.ja:SMILES記法]]からモノマー分子を作ってくれるような気がします。
 :Get PDB using Accession Code|
 PDB IDを指定すればPDBサイトからその分子を取得してきます。
 
 *** 電子密度を読み込む [#ibfb3b35]
 [File] -> [Auto Open MTZ...]、[Open MTZ, mmCIF, fcf or phs...]、[Open Map...]で開きます。それぞれのコマンドの違いは以下のようです。
 :Auto Open MTZ|
 MTZを開くときに2Fo-FcとFo-Fcを自動的に割り当ててくれます。
 :Open MTZ, mmCIF, fcf or phs|
 MTZを開くときにラベルなどの割り当てを指定できます。また、COOT上でREFMACを使うときはこのコマンドで[Assign Labels for Refmac?]にチェックを入れる必要があります。mmCIF、fcf、phsは開いたことがないのでわかりません。
 :Open Map|
 CCP4形式のmapファイル、CNS形式のmapファイルを開きます。CNS形式の場合は自動で変換してから開くので開くのに多少時間がかかります。何度も開くような場合はMAPMANなどであらかじめCCP4形式に変換しておいた方がいいかもしれません。
 
 *** SHELXで使う [#y4fca7a8]
 #anno2(2011-05-18:追加)
 #anno2(確認バージョン 0.6.1)
 0.6あたりのCOOTではSHELXのresファイルやfcfファイルも読み込め、insファイルの書き出しができるので、SHELXで精密化を行うときにPDBファイルでモデル修正→resファイル + PDBでアップデート、をSHELXPROで行う必要がなさそうです。ただ、Occupancyの値がSHELXベース(?)なのでその辺りが不便かも・・・~
 SHELX初心者なのでよく分かってませんが、試していこうと思います。
 
 ** 基本操作 [#y4caa990]
 表示する視点の操作はマウスで行います。
 
 *** 通常時 [#x3f74c14]
 |~左ドラッグ     |モデルの角度の変更|
 |~Ctrl+左ドラッグ|モデルの並進|
 |~右ドラッグ     |拡大率の変更(下、右:拡大、上、左:縮小)|
 |~Ctrl+右ドラッグ|Z深度の変更|
 |~ホイール操作   |電子密度のσ値の変更|
 
 *** 分子選択時(Rotate/TranslateやEdit Chi Anglesなど) [#w043d3d9]
 |~左ドラッグ     |モデルの角度の変更&br;選択分子の移動など|
 |~Ctrl+左ドラッグ|選択した点を支点としてモデルの回転|
 
 ** モデリングの基本 [#be11c290]
 いろいろ機能はありますが、まずは基本的なモデリングをするために[Calculate] -> [Model/Fit/Refine...]を選択します。するとカラフルなボタンが付いたウィンドウが開きます。モデリングの大部分はこのウィンドウのボタンをクリックして行います。それぞれのボタンの意味をまとめておきます。
 |ボタン|内容|h
 |~Refine/Regularize Control...|角度のリストレインを指定できます。αヘリックスやβストランドが指定できます|
 |~Select Map|Real Space Refineなどで使用するマップを指定します|
 |~Real Space Refine Zone|電子密度にあわせて残基などを精密化します|
 |~Regularize Zone|角度などの制限をきつくした状態で精密化します。Real Speceでバラバラになる場合に使っています|
 |~Rigid Body Fit Zone|原子同士の相対位置を変えずに電子密度に合わせます|
 |~Rotate/Translate Zone|回転、並進を行います|
 |~Auto Fit Rotamer|アミノ酸の側鎖を電子密度に合わせます|
 |~Rotamers...|(おそらく)よく現れる側鎖の配置を一覧で表示させ、変更しながら電子密度との一致を見ることができます|
 |~Edit Chi Angles|側鎖の角度変更を行います|
 |~Torsion General|アミノ酸以外で、CIFファイルが無いような分子の結合角を操作します|
 |~Flip Peprite|ペプチド結合をフリップします|
 |~Sidechain 180 Degree Flip|Hisなどの180度ひっくりかえします|
 |~Edit Backbone Torsions|Cα鎖の角度を操作します|
 |~Mutate & Auto Fit...|アミノ酸残基を別の残基に変更し、その後電子密度に合わせます|
 |~Simple Mutate...|アミノ酸残基の置換のみを行います|
 |~Find Waters|σの値などを指定することで、水分子と思われる電子密度を見付けます|
 |~Add Terminal Residue|残基を末端に追加します(N末端でもC末端でも)|
 |~Add Alt Conf...|alternateコンフォメーションを追加します|
 |~Place Atom At Pointer|現在のポインタの位置に原子を置きます|
 |~Clear Pending Picks|よー知りません(--;、多分Find watersで拾ったblobをクリアするのだと思います|
 |~Delete...|残基や原子などを消去します|
 |~Undo|ひとつ前の操作を取り消します|
 |~Redo|Undoを取り消します|
 |~Run Refmac...|REFMACによる精密化を実行します|
 
 #navi(COOTを使ってみよう)