#keywords(CCP4,6.1.2,インストール)
構造解析ことはじめ/03 プログラムのインストール
#floatcontents
* CCP4をインストールする [#u248f1e0]
#anno1(2010-02-22 : この情報はCCP4 6.1.2および6.1.3について記述されています)
- 6.1.1の情報は以下のページです。
-- CCP4/インストール/6.1.1
-6.0.2の情報は以下のページです。
-- CCP4/インストール/6.0.2
-- CCP4/インストール/6.0.2/CentOS
- CCP4/個別プログラムのリビルド -- 自分でCCP4 Coreをビルドしたいとき
- CCP4/個別プログラムのビルド -- 自分でCCP4 Coreをビルドしたいとき
- CCP4/Advancedインストール -- ちょっとマニアな環境構築メモ
-- CCP4でIntel MKLを使うときのメモ
** aptでインストール [#ja672b6a]
- python-devel
- xorg-x11-fonts-75dpi
** CCP4 6.1.3のインストール &Vine5; [#fe42143a]
#anno2(2010-02-22 : 6.1.3のインストールを確認)
- 2010-03-08 -- maiyoさんの質問で、6.1.3ではPDBのファイルビュワーとしてPyMOLが使えるはずなのに、Preferenceで変更しても起動せず''ERROR could not start PyMol''とのメッセージが出るという情報が寄せられました。確認したところ、CCP4iのバグのようです。以下のファイルを修正することで改善します。
:ccp4-6.1.3/ccp4i/src/fileviewer.tcl|
656 #---------------------------------------------------------------------
657 proc RunPyMol { $args } {
658 #---------------------------------------------------------------------
657行目の''$args''を''filename''に修正します。PHPあたりの言語と勘違いしたのかな?
656 #---------------------------------------------------------------------
657 proc RunPyMol { filename } { <-- この行
658 #---------------------------------------------------------------------
修正した後、CCP4iを再起動すればPyMOLでPDBファイルを開けるようになります。
- 2010-02-22 -- 久しぶりに解析をすることになりましたので(^^;、6.1.3をインストールしてみました。CCP4トップページでは6.1.2なのに6.1.3リリースと書いてあるこの不思議。インストールは6.1.2と同様の手順で可能でした。相変わらずGraphviz問題は発生しますので、関連機能である[Graphical View of Project]を使いたい場合はCCP4のgraphviz-2.20.2ディレクトリを削除するか名前を変更して、aptなどでインストールしたGraphvizを使いましょう。
-- 2010-02-22時点の情報
--- XIA2は同梱されていないようです。最新版の0.3.1.0をインストールしましょう
--- COOTは0.6.0が同梱されています。0.6.1へのアップデートをオススメします。
--- BALBESは0.0.1が同梱されています。分子置換の成功率(私の主観&huh;)を考えると1.0.0がいいと思います。
--- Customize downloadの場合、COOT、BALBES、Graphviz、Pythonは不要だと思われます。特にBALBES 1.0.0を持っている場合はBALBESを外した方がダウンロードが早いです(パッケージ容量のほとんどがBALBES DBのため)。
** CCP4 6.1.2のインストール &Vine5; [#r444aca7]
- 2009-11-27 -- Vine 5.0ではGraphvizの動作に問題がありました。CCP4iの[Graphical View of Project]を実行する際、"Error: Could not find/open font"というメッセージが出力されて描画されません。その際はaptでインストールしたものを使えば問題ありませんでした。GraphvizパッケージもCustomized Installationで除外可能です。~
CCP4BBによると既知の問題のようです。
-- 参考:problem with ccp4 6.1.0 installation -- https://www.jiscmail.ac.uk/cgi-bin/webadmin?A2=ind0902&L=CCP4BB&T=0&O=D&P=38155
- 2009-11-13 -- CCTBXの問題を解決しました。XIA2 0.3.0.0以上を使用する場合はここに示す対策が必要です。''ただし0.3.0.3以上を使用する場合はCCTBXを別途インストールする必要があります''。
- 2009-09-03 -- Vine 5.0ではxorg-x11-fonts-75dpiパッケージが標準ではインストールされないようでCCP4iのフォントが変わってしまいます。気になる場合はaptでインストールして下さい。
- 2009-08-28 -- Vine 5.0にてインストールを確認。6.1.1と同様ですが、Phaserがあっさり導入されるようになりました。そのため6.1.1までのように2回インストールプロセスを行う必要はないようです。
- 2009-08-24 -- Vine 4.2にてインストールを確認。6.1.1と同様です。
*** CCP4アーカイブの取得 [#md584a1e]
- 6.1.2収録のBALBES, COOT, XIA2は旧版なので新バージョンのインストールをおすすめします。Customized Installationで選択解除すると容量を減らせます(特にBALBES)。
[[CCP4のサイト>http://www.ccp4.ac.uk/]]から取得します。2009年11月現在では以前のように細かく分かれていません。Linux -> generic linux (x86)を取得します。現時点ではBALBES、COOTは新バージョンをインストールする必要があるのでCustomized InstallationでBALBESとCOOTを除いたバイナリパッケージを選択するといいかもしれません(ダウンロード容量が半分以下になります)。選択が面倒ならTypicalで。なお、Typicalでは以下のパッケージがインストールされます。
|プログラム |展開後容量|Custom |h
| |RIGHT: |CENTER:|c
|Database for Balbes (Data Files) | 1653.2 MB| |
|CCP4 Program Suite v6.1.2 (Executables) | 928.5 MB|○ |
|Phaser v2.1.4 and CCTBX (Executables) | 228.7 MB|○ |
|COOT v0.5.2 (Executables) | 290.8 MB| |
|CHOOCH v5.02 (Executables) | 15.8 MB|○ |
|TclTk v8.4.14 + blt-itcl-itk-tkimg-tdom-treectrl (Executables)| 20.7 MB|○ |
|Python scripting language v2.4.2 (Executables) | 44.5 MB|○ |
|Clustalw v2.0.9 (Executables) | 10.5 MB|○ |
|Fasta v35.4.1 (Executables) | 13.9 MB|○ |
|Graphviz v2.20.2 (Executables) | 11.6 MB| |
|Total estimated unpacked size : | 3218.3 MB| |
|~Estimated size of compressed download file : |~&color(red){''1044.1 MB''};|~約400MB|
Typicalパッケージの場合圧縮ファイルで1GB程度になり、CustomでBALBESとCOOTを除いた場合、ダウンロードサイズは400MB程度です。ファイル名はCCP4-Linux.tarになります。~
*** インストール [#fcc993f9]
6.1.1以前のバージョンよりも格段にインストールしやすくなりました。~
最近XIA2の0.3.0.3をインストールしてみて気づいたのですが、CCTBX(Computational Crystallography Toolbox;PHASERなどから利用されているライブラリパッケージ。XIA2も使う)の問題があるのでPythonまわりでちょっとした手順が必要になります。
- &ref(ccp4-6.1.2.install.patch); -- CCTBX問題回避用インストーラ修正パッチ
# mkdir /usr/local/ccp4-6.1.2
# cd /usr/local/ccp4-6.1.2
# tar xvf CCP4-Linux.tar
# patch -p0 < ccp4-6.1.2.install.patch <-- CCTBX問題回避用パッチ(install.sh用)
# ./install.sh
出力例:
#############################
# INSTALLER FOR CCP4 v6.1.2 #
#############################
Installing the following packages:
(選択されたパッケージが表示されます)
Do you want to keep all default parameters for installation (yes/no):
Currently [yes]
NB: By default, the crystallographic packages will be extracted and built here.
(通常はこのまま/usr/local/ccp4-6.1.2にインストールするのでEnter)
We are now ready to install :
(インストールされるパッケージ)
NB: The remaining usually does not require your intervention.
If it is your first installation of CCP4 you might be prompted to agree licence first.
Press any key to start.
(Enter)
unpacking program packages...
...各プログラムのインストール表示
Do you want to have your environment set up through
your terminal resource file, so each time you open a terminal
it is ready to go (y/n):
Currently [y]
(n; 現在の環境にsourceを追加するかということ。rootユーザーに追加する必要はないので"n"を入力してEnter)
6.1.1以前とは異なり一度だけでPHASERも問題なくインストールされるようです。
#classdiv(box-yellow)
&color(red){''CCTBXの問題''};~
CCP4インストール時のPHASER/CCTBXセットアップはPythonを使いますが、この時標準の/usr/bin/pythonが使われてしまうとUCS2/4コード体系の問題で、使用するプログラムによっては、
undefined symbol: PyUnicodeUCS2_FromUnicode
というようなエラーが出ることがあります(Vine 5.0環境下;XIA2 0.3.0.3以上)。~
これはPython内部でのUnicodeの扱い方が異なるためのようです。具体的にはPythonが''--enable-unicode=ucs2''でビルドされているのか、または''--enable-unicode=ucs4''でビルドされているのかによります(CCP4付属のPythonはUCS2)。~
この問題を解決するためにはPHASER/CCTBXセットアップ時に使用されるPythonをCCP4付属のものにすればよいのですが、標準のインストーラでは適切に処理されない(パスが通されない)ようです。従って、インストール途中にパスを通すように修正したinstall.shを使います。~
問題のない環境でもCCP4iは付属のPython、CCTBXはシステムのPythonを使う、といった不整合を防ぐためにも修正版のinstall.shの使用をおすすめします。6.1.1以前のバージョンではシステムのPythonがターゲットになっていた場合、PHASERがうまくインストールできず、2回インストールを行っていたため問題が回避されていたのだと思われます。
#classdiv(end)
*** 環境設定 [#xa5d95d8]
ユーザーごとの環境設定をすれば完了です。
:.cshrcに追加|
source /usr/local/ccp4-6.1.2/setup-scripts/csh/ccp4.setup
source /usr/local/ccp4-6.1.2/setup-scripts/csh/ccp4-others.setup
:.bashrcに追加|
source /usr/local/ccp4-6.1.2/setup-scripts/sh/ccp4.setup
source /usr/local/ccp4-6.1.2/setup-scripts/sh/ccp4-others.setup
*** 最後の処理 [#ya30fe9e]
インストール時に使用したファイルを削除します
- /usr/local/ccp4-6.1.2/*.tar.gz <-- アーカイブなのでインストール後は不要
ファイルの所有者をrootにしておきます。
# chown -R root:root /usr/local/ccp4-6.1.2
*** メジャーなプログラムのインストール [#b7ee2d11]
付属しているプログラムで古いものを新しいバージョンに入れ替えます。
- COOT 0.6pre1 -- [[COOTのインストール>COOT/インストール]]
- XIA2 0.3.0.6 -- [[XIA2のインストール>XIA2/インストール]](XDSを使うならXIA2 0.3.0.0以上が必要)
- BALBES 1.0.0 -- [[BALBESのインストール>BALBES/インストール]](0.0.1は動作しませんでした)
- [[ARP/wARP>ARP_wARP]] 7.0.1 -- [[ARP/wARPのインストール>ARP_wARP/インストール]]
* インストール時のトラブル [#g8e54643]
CCP4を使用する上で気づいたトラブルをメモしておきます
** PyMOLのExternal GUIが起動しない [#da47ae58]
Vine 4.2ではCCP4 6.1環境ではPyMOLのExternal GUIが起動しなくなりました。これは、PymolのTkインタフェースへのパスの問題のようです。~
- ''解決方法:[[TclError: Can't find a usable init.tcl>PyMOL/インストール#d9f2012a]]''
*** Tclライブラリの問題 -- Ver.6.1.0、6.1.1共通 &Vine4; [#ye2d6e25]
MAPSLICERが起動しませんでした(6.0.2では確認してません)。以下のエラーで停止しました。
Application initialization failed: Can't find a usable init.tcl in the following directories:
/home/fr45/tcltk++/Linux/lib/tcl8.4 /usr/local/ccp4-6.1.1/ccp4-6.1.1/lib/tcl8.4 /usr/local/ccp4-6.1.1/lib/tcl8.4 /usr/local/ccp4-6.1.1/ccp4-6.1.1/library /usr/local/ccp4-6.1.1/library /usr/local/ccp4-6.1.1/tcl8.4.18/library /usr/local/tcl8.4.18/library /home/fr45/tcltk++/Linux/lib/tcl8.4
This probably means that Tcl wasn't installed properly.
Error in startup script: invalid command name "wm"
while executing
"wm withdraw ."
(file "/usr/local/ccp4-6.1.1/ccp4-6.1.1/ccp4i/bin/mapslicer.tcl" line 12)
invoked from within
"source [file join $env(CCP4I_TOP) bin mapslicer.tcl]"
(file "/usr/local/ccp4-6.1.1/ccp4-6.1.1/ccp4i/bin/mapslicer" line 40)
:解決方法|
PyMOLと同様にTclライブラリへのパスが通っていません。環境変数''TCL_LIBRARY''へのパスをセットします。
% setenv TCL_LIBRARY $CCP4I_TCLTK/../lib/tcl8.4
.cshrcにセットする場合はccp4.setupを読み込んだ後の行に追記して下さい。
*** libccp4mapの問題 -- Ver.6.1.1 &Vine4; [#qe2f690c]
TCL_LIBRARYが適切にセットされていても起動しませんでした。
Couldn't find (or load) the MapSlicer command library ("ccp4map" package)
Error: couldn't load file "/usr/local/ccp4-6.1.1/ccp4-6.1.1/lib/libccp4map.so": /usr/local/ccp4-6.1.1/ccp4-6.1.1/lib/libccp4map.so: undefined symbol: ccp4_file_itemsize
This should have been built as part of the main CCP4 installation, however
it is not available on all platforms.
Stopping
:解決方法|
libccp4map.soでccp4_file_itemsizeが解決されていないようです。''$CCP4/ccp4i/bin/mapslicer''スクリプトを確認してみるとlibccp4map.soが存在する場合、''$CCP4/bin/ccp4mapwish''を起動するようになっていますが、この時libccp4map.soを使うために起こっているのだと思われます。CCP4のProblemsに解決方法がありました。
+ ''CCP4 Problems -- [[MAPSLICER libccp4map.so: undefined symbol: ccp4_file_itemsize>http://www.ccp4.ac.uk/problems.php#6.1.1-ccp4mapwish]]''~
ここにあるlibccp4map.soを適用します。またはlibccp4map.soを削除します。
+ ''リビルドしたlibccp4map.soを使う''~
Problemsにあると気づかなかったので自分でビルドしました&huh;。一応残しておきます。~
シンボルの問題を解決したlibccp4map.soを作成します。私の環境でビルド時にlibccp4cをリンクしたlibccp4map.soを作成しましたのでよかったらどうぞ。以下のファイルを$CCP4/lib/libccp4map.soに上書きコピーします。ccp4mapwishをビルドし直してもいいと思いますが。
-- &ref(libccp4map.so); -- Vine 4.2(GCC 3.3.6)でコンパイル~
$CCP4/src/ccp4mapwish_以下のMakefileを以下のように修正してビルドしました。
60 MAPSLICER_SHARE = gcc -fPIC -shared -Wl,-h -Wl,libccp4map.so -Wl,--whole-archive -o libccp4map.so libccp4map.a ../../lib/libccp4c.a -Wl,--no-whole-archive
他のプログラムへの影響は不明です&huh;。