各種プログラム使用方法
* HKL2000のログ [#q3eb955d]
データ処理で使用するHKL2000。これは結局のところDENZOとSCALEPACKのインタフェースです。そのためそれぞれのログファイルが存在します。その中で必要な情報を集めてみましょう。
** DENZO [#nbd25829]
(くにを博士よろしく&heart;)
** SCALEPACK [#c5b240b7]
論文でデータ処理の統計値を載せるときにはこのログファイルを確認します。ファイル自体は大きくなってますが、統計情報だけならそんなにありません(たぶん)。~
HKL2000のディフォルトのファイル名は''scale.log''です。
#br
さて、ここではIP fittedがずらーっと並んだ後半部分を見ていきます。
*** Observations used in scaling [#l82b9fb7]
スケーリングに使用された反射数です。
Summary of reflection intensities and R-factors by batch number
All data Linear
Batch # obs # obs > 1 <I/sigma> N. Chi**2 R-fac
1 330 315 4.1 2.326 0.225
...
180 307 295 4.6 2.041 0.152
All films 144993 132869 5.0 1.025 0.104
フレームごとの反射数とR値が並んでいる部分の末尾を見ます。ここの''#obs > 1''の値が求める値になります。この場合、132,869です。
*** Unique reflections [#o1760c00]
ユニークな反射の数です。これは続く''Summay of observation redundancies by shells''のテーブルで確認できます。
Shell Summary of observation redundancies by shells:
Lower Upper No. of reflections with given No. of observations
limit limit 0 1 2 3 4 5-6 7-8 9-12 13-19 >19 total
100.00 4.96 478 890 1837 2001 1478 0 0 0 0 0 6206
...
2.38 2.30 777 1487 1988 1591 638 0 0 0 0 0 5704
All hkl 5949 12124 18823 18249 10119 0 0 0 0 0 59315
このテーブルのtotalのカラムの合計値、''59,315''がそれにあたります。なお、各分解能ごとの値はそれぞれの行に出力されています。
*** Multiplicity (Redundancy) [#yb5e2ca0]
反射のredundancyを読みます。続く''Average Redundancy Per Shell''の値を読みます。
Shell Average Redundancy Per Shell
Lower Upper
limit limit
100.00 4.96 2.7
...
2.38 2.30 2.2
All hkl 2.4
各分解能ごとの値があり、全体の値(''2.4'')が出力されています。
*** Completeness [#b3b900a1]
先ほどの''Summary of observation redundancies by shells''テーブルをパーセンテージで表した、''Summary of observation redundancies''のテーブルを参照します。ここには各分解能のcompletenessと全体の値が出力されています。手元にあったログがひどいデータなのでひどい有様です&sad;
Shell Summary of observation redundancies:
Lower Upper % of reflections with given No. of observations
limit limit 0 1 2 3 4 5-6 7-8 9-12 13-19 >19 total
100.00 4.96 7.2 13.3 27.5 29.9 22.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 92.8
...
2.38 2.30 12.0 22.9 30.7 24.5 9.8 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 88.0
All hkl 9.1 18.6 28.8 28.0 15.5 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 90.9
このデータの場合、Overall completenessは''90.9%''、highest shell(2.38-2.30Å)では''88.0%''となっています。
*** R-merge [#fccdec04]
ログファイルのほぼ末尾にあります。処理する際にどこまでの反射を使うかを決める目安にもしていると思います。
Shell Lower Upper Average Average Norm. Linear Square
limit Angstrom I error stat. Chi**2 R-fac R-fac
100.00 4.96 96.0 4.5 4.4 1.295 0.054 0.054
...
2.38 2.30 7.5 4.5 4.5 0.535 0.373 0.425
All reflections 40.7 4.7 4.6 1.024 0.104 0.082
このテーブルの''Linear R-fac''を見ます。この場合''10.4%''ですね。
*** 消滅則 [#j48d055b]
ログの最後に消滅則に合致しているかを確認するためのテーブルがあります。
Intensities of systematic absences
h k l Intensity Sigma I/Sigma
0 3 0 0.5 0.7 0.6
0 5 0 -0.1 1.0 -0.1
0 9 0 0.8 2.2 0.4
0 17 0 2.1 4.1 0.5
このテーブルで消滅則を確認します。
** コメント [#ud9b681b]
- Fushinobu先生からのご指摘：全体の反射数の参照先が違うのでは？とのこと。調査しますのでしばしお時間くださいませ。 -- くにを &new{2013-06-25 (火) 23:19:37};
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